島での学び

仕事で小豆島に行った。午前中の予定が終わって昼食を取ることになった。訪問先の方が地元で有名な古民家を再生したお店を予約してくれていた。車を止めて映画で見たことのある棚田にそって少し歩くと左手に民家が見えてきた。どこにでもある素朴な風景にとけ込んでいる感じだ。「これはちょっと変わった食堂が好きな人がネットで調べてくるようなところだな。」と心で思いながら店についた。戸を開けて驚いた。この時期であるにもかかわらず、ほぼ満席である。訪問先の人いわく、「予約しないと入れないんですよ。」 納得である。

あまり時間がなかったので、訪問先の方と同じおにぎり定食をお願いした。しばらく待っていると、「お待たせしました。」の声と共におにぎり定食がきた。思ったより量が多くボリューム満点だ。お米はここの棚田で取れたもの、野菜も地元のもの、魚も小豆島の漁港でとれた小豆島産の食材のみでつくられた定食だった。まずはでっかいおにぎりにかぶりついた。「うまい!」なんだこのうまさは。続いて魚だ。頭からガブリといった。これもうまい。窓から見えるのどかな棚田の風景が美味しくさせているのだろうか。私の他に2人はじめて来たメンバーがいたが、みんな同じように本気で感動していた。

コロナ禍で飲食業は大変である。しかし、この店のようにたった1点に絞り込んで徹底的にその特長を磨き上げる。すごい腕のシェフがいるわけでもなく高級な食材を使うのでもない。やらないことを決め、重点を絞り込んで圧倒的オリジナリティを創りだす。徹底して環境や素材の「らしさ」を引き出す凄みを感じた店だった。お代を払いながら、厳しい環境を生き抜く知恵を学ばせていただいたことに改めて感謝した。

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両輪を回す経営